四代 田邊達三 教授

四代

田邊 達三教授

19801993

田邊達三先生は、昭和55年に教授に就任されて以来13年間にわたって教室を主宰された。

当時、教室には外科学の主要三大領域である循環器外科、消化器外科、および呼吸器外科のすべての診療チームが存在し、教室全体で外科学の推進を視点に入れた努力がなされてきた。解離性大動脈瘤に対する疾患モデルの作成から病態に関する基礎的研究、Ivalon sponge occlusion法の開発による特にDeBakeyⅢ型の手術成績の改善をはじめ、人工血管・血管内視鏡をはじめとした医用材料の開発、生体弁移植、血管移植、心筋保護・補助循環などの循環器領域にその業績はとどまらない。肺癌に対する集学的免疫化学療法の開発、消化器癌に対する血管外科手技の応用による局所制御の追求、慢性膵炎に対する膵頭部切除術、門脈圧亢進症に対する遠位脾腎静脈シャント術の導入といった、数々の分野で幅広く外科学の進歩発展に寄与された。日本外科学会会長、日本心臓血管外科会長、日本脈管学会会頭、日本血管外科学会会長をはじめとして、数々の学会・研究会を主宰され斯学の発展に尽力された。

さらに、先生のお仕事はこれらにとどまらず、付属病院長として付属病院の新築・再開発に尽力され、さらに循環器外科および集中治療部の新設など現在の病院な体制の基礎を築かれた。引き続き、医学部長として、大学院の整備に尽くされた。さらには大学評議員として長年にわたり大学運営の枢機に参画され活躍された。

現 NTT東日本札幌病院名誉院長