六代 近藤哲 教授

六代

近藤 哲教授

20042011

近藤哲先生は、1998年に加藤教授の下の助教授として当科に赴任された。

当時より日本の肝胆膵外科の若手のリーダーの呼び声の高かった先生であったが、北大赴任後、肝門部胆管癌に対して肝葉切除兼門脈先行切除再建術式、肝動脈合併切除に関して積極的に取り組まれた。microsurgeryを応用した動脈の直接再建のみならず、従来、北大で基礎研究を積み重ねていたAPS(Arterio-Portal Shunting)を応用した動脈切除術式を考案され、根治切除の可能性を広げられた。さらに、IVRの手技を取り入れ術前に血流改変を行うことで腹腔動脈幹切除の際の胃/肝の虚血対策を行い手術の安全性を高め根治切除としてDP-CAR:腹腔動脈幹合併切除を伴う尾側膵切除を確立された。

2004年に教授に就任され、北海道大学病院副院長、さらに日本外科学会理事、日本胆道学会理事長として明確なリーダーシップを発揮された。さらに、2010年には国際肝胆膵学会のcouncilとしてその実力を世界に認めさせた。

まさに順風満帆と思われた矢先に、肺癌を患い在任中に逝去された。しかし、先生の確立された手術手技や近藤イズムは北大において確実に継承されてきている。