お知らせ

第1回北海道AcuteCareAcademyが開催されました。

9月6日 ホテルニューオータニイン札幌にて、第1回北海道AcuteCareAcademyが開催されました。

近年交通事故の減少などで(これ自体は喜ばしいことなのですが...)症例が少なくなっている外傷診療、急性虫垂炎(いはゆる盲腸)や胃潰瘍の穿孔など内因性疾患による緊急手術、そしてこれもまた低侵襲手術の増加や技術・機器の発達により減少している術後合併症の管理や手術など、特に若手の診療経験が少なくなってしまい、いざその症例を診療しなければならない時にどうすれば良いのか分からないという声が聞かれるようになってきました。

外傷外科(Trauma Surgery)、内因性緊急疾患手術(Emergency General Surgery)、合併症管理と手術(Surgical Critical Care)を合わせてAcute Care Surgery(ACS)と言いますが、これらは外科医として必修の項目であり、患者さんの生命と直結する「待ったなし」の診療であり、あらかじめ修得しておかないといざ現場で患者さんを治療することは出来ません。

「診療経験の減少」と「外科医としての必修項目」という矛盾を打開すべく今回"Academy"を開学いたしました。

"Academy"は「症例検討会」と「講義」の2本立てで行われます。
「症例検討会」では,外傷から内因性疾患まで6症例を集めました。特別に参加していただいた救急医・集中治療医の先生方からも、症例についてのご意見やアドバイスをいただき、かなりdeepな検討会となり、参加者全員がこの症例を共有し疑似体験することが出来たと思います。

そして「講義」は今回自治医科大学、卒後臨床研修センター教授 Alan Lefor先生と、救命救急センター 伊澤祥光先生にお願いいたしました。
Alan教授からは周術期の感染症管理について、伊澤先生からは重症体幹外傷における周術期の集中治療についてご講義いただきました。
どちらも明日から即実践できる(しなければならない)内容で、若手のみならず私のような若くない外科医も大変勉強になったと思います。
本当にありがとうございました。

"Academy"には当初40名の参加を予定しておりましたが、予想を大きく上回る60名の先生方が参加してくれました。
本会が明日の北海道のACSの発展とPTD(Preventable Trauma Death : 避けられうる外傷死)の撲滅に寄与できることを心からお祈りし、次回開催への活力とさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

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