お知らせ

金子司先生の国立がん研究センター中央病院国内留学の留学体験記を追加しました

91期の金子司と申します。2019年11月に、2週間の日程で国立がん研究センター中央病院食道外科へ短期研修に行かせて頂きましたので、ご報告させて頂きます。

がんセンター中央病院は東京都築地に位置し、がん診療における日本の最先端施設の1つと言われています。尊敬する上司や先輩ががんセンター中央病院でレジデントを経験されていたこともあり、以前からとても気になっておりました。今回、2週間の短期研修の機会を頂いたので思い切って上司にお願いし、憧れの食道外科を見学させて頂けることになりました。

見学にあたり、手術や術後病棟管理について学ばせて頂くのはもちろん、特に自分と学年が比較的近いレジデントの先生方がどのような仕事をされているかについて学ばせて頂こうと思っていました。

食道外科は大幸宏幸先生のもと、2名のスタッフ、2名のシニアレジデント、3名のレジデントの先生方がチームで活動されていました。手術は腹臥位胸腔鏡下食道亜全摘をはじめ、縦隔鏡、2期的再建、咽喉食摘+縦隔永久気管孔形成など、多彩な手術を目の当たりにできました。頸部、胸部、腹部の3領域でそれぞれ術者や助手が決められており、執刀医や助手に関わらずやり方が統一されていて、阿吽の呼吸で手術が着々と進んでいくのが印象的でした。術後の造影検査やリハビリに関しても詳細に手順化されており、主治医の指導のもとレジデントの先生方が主体となり治療が行われていました。大手術がたくさんありましたが概ね日中で終わっており、病棟の仕事を終えた後は各自の研究などを大切にされているようでした。

朝のレジデント回診から見学させて頂き、手術の後はカンファレンスや勉強会にも参加させて頂きました。一番面白かったのは、レジデントの先生が執刀された手術動画をノーカットで見る勉強会でした。動画だけをネタに数時間、細かなテクニックなどについて熱い議論が繰り広げられていて、レベルが高すぎてついていけませんでしたがあっという間でした。

レジデントの先生方は全国から集まっており、志が高く優秀な先生ばかりでした。自分にとって数年上の年次にあたる身近な先輩で、お忙しい中にも関わらずたくさん相手をして頂き、これから数年間でどのようなことをできるようになるべきか、そのためにどのような準備が必要か、様々な施設からいらっしゃる先生方の経験を踏まえて具体的かつ多様なお考えを伺うことができ、参考になりました。また、手術が早く終わった際にはスカイツリーの見える病院食堂に連れて行って頂いたり、夜には飲み会を開いて頂いたり、レジデント名物の出前をとって頂いたりと、おいしいものをたくさんご馳走になりました。

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今回、まだ外科の基礎を勉強中の身であるにも関わらず背伸びをして食道外科の見学に行かせて頂きましたが、想像以上に志の高い先生方のもと多彩な症例を経験させて頂き、夢のような2週間でモチベーションがますます高まりました。

多くの症例から得られる効率的で質の高い診療や教育環境の充実ぶりを実感すると同時に、自身が今まで学んできた北海道での経験の重要性を改めて実感しました。短い期間でしたが、今回の経験を糧にまずは基本的なことをしっかり身に着け、さらに多様な価値観を取り入れて質の高い医療を実践できるよう、目標を定めて貪欲に学んでいきたいと気持ちを新たにしております。

研修にあたり、お忙しい中ご指導頂いた大幸先生はじめがんセンター中央病院食道外科のスタッフ・レジデントの先生方、研修のきっかけを作って頂き快く送り出して下さった平野先生、七戸先生、野路先生に心より感謝申し上げます。また、不在をお許し頂いた先輩・同期の先生方に深く感謝申し上げます。

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